東京

曳舟駅の読み方と由来は?長命寺の井戸や桜餅の歴史を探る東向島散策

東武スカイツリーラインと伊勢崎線、そして亀戸線が交差する曳舟駅。

伊勢崎線はここで浅草方面と押上方面に分岐し、亀戸線の起点ともなっているため、曳舟駅は交通の要所として重要な役割を果たしています。

ところで、「曳舟(ひきふね)」ってすんなり読めましたか?

「曳」という漢字はあまり見かけないので、初めてこの駅名を目にした人は戸惑うかもしれません。

でも、この難しい地名には、実は江戸時代に由来する面白い歴史が隠されているんです。

さあ、そんな歴史ある曳舟の街を一緒に散策してみましょう。

東武スカイツリーラインの曳舟駅から出発し、下町の雰囲気漂う東向島の街並みを歩きながら、今回の目的地である徳川家光にまつわる伝説の井戸がある長命寺を訪れます。

さらに、近くにある江戸時代創業の「山本や」の周辺を散策して、フィニッシュとなります。

曳舟駅から始まる墨田区東向島周辺の探検、一緒に楽しみませんか?

動画で見たい方は、YouTubeのれきちりチャンネル内にある曳舟の街歩き動画もぜひご覧ください!

曳舟駅の読み方と由来は?長命寺の井戸や桜餅の歴史を探る東向島散策|前編

曳舟の読み方と由来

  • 曳舟の読み方: ひきふね
  • 地名の由来: 江戸時代にこの地域を流れていた曳舟川

「曳舟(ひきふね)」という地名は、江戸時代、この地域を流れていた曳舟川に由来します。

曳舟川では、小舟を人力で曳いて運ぶ「曳く舟」が活躍し、その名が地名となりました。

この川は灌漑用水として利用されていただけでなく、江戸から各地へ向かう交通手段としても重要な役割を果たしていました。

現在、曳舟川は埋め立てられ、親水公園として整備されていますが、駅名や地域名として「曳舟」の名前は今も残り、その歴史を伝え続けています。

東武スカイツリーライン 曳舟駅

東武スカイツリーライン曳舟駅改札

東武スカイツリーライン曳舟駅改札

東武スカイツリーライン・伊勢崎線と亀戸線が乗り入れている駅です。

亀戸線の起点とされる駅でもあります。

また、曳舟駅で押上方面(半蔵門線直通)と浅草方面に分かれます。

東京スカイツリー駅に行きたい場合は浅草方面の電車に乗ることになりますが、半蔵門線直通の押上行きの電車が多いため間違いないように注意が必要です。

(間違えても押上駅で降りれば東京スカイツリーの下に到着します)

【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島2丁目26

東武スカイツリーライン 曳舟駅西口

東武スカイツリーライン曳舟駅西口

東武スカイツリーライン曳舟駅西口

東武スカイツリーライン・伊勢崎線の曳舟駅は東口にイトーヨーカドーや京成線の曳舟駅があるため人の流れも多く、栄えている印象です。

反対に曳舟駅西口は細い路地が多く、商店や飲食店が立ち並ぶ下町らしい雰囲気になっています。

ちなみに曳舟交番は西口にあります。

【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島2丁目26

ふじのき公園(ラジオ体操広場)

ふじのき公園

ふじのき公園

ふじのき公園は、東京都墨田区東向島に位置し、曳舟駅から徒歩1分という便利な場所にあります。

広さは1,828.33平方メートルで、地域住民や子どもたちの憩いの場として親しまれています。

散歩した日も元気に遊ぶ子どもたちの姿が見られ、公園全体が明るくにぎやかな雰囲気でした。

この公園は、墨田区が推進する健康増進活動の一環として、毎朝6時30分からラジオ体操が行われる場所でもあります。

区内の他の公園と同様、地域コミュニティの活性化を目的として、子どもから高齢者まで幅広い年齢層が参加できる仕組みのようです。

【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島2丁目7−5

東向島一丁目 交差点

東向島一丁目交差点

東向島一丁目交差点

国道6号線(水戸街道)に出てきました。

大通りであるため、車の交通量がかなり多いです。

私も車でこの道を走ることがありますが、平日の昼間は葛飾方面に向かう車でいつも渋滞しています。

【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島1丁目27

鳩の街通り商店街

鳩の街商店街

鳩の街商店街

鳩の街通り商店街は、1933年に設立された歴史ある商店街で、戦前の道幅をそのまま残しています。

昭和初期から続くレトロな商店と、近年リノベーションされた新しいショップが共存する、独特の雰囲気が魅力のようです。。

今回の散歩では入口付近で曲がってしまいましたが、この奥には昭和の面影を残す商店街が広がっています。

下町の隠れた観光スポットとして、訪れる価値のある場所です。

【住所】〒131-0032 東京都墨田区向島5丁目50−13

路地尊(ろじそん)

路地尊

路地尊

路地尊(ろじそん)は、墨田区が防災対策の一環として設置した雨水利用施設で、地域の安全を守る役割を担っています。

雨水を地下貯留槽に溜め、手押しポンプで汲み上げる仕組みで、生活用水として利用されています。

地域住民が実際に路地尊の水を使っている光景を見てみたいと感じました。

災害時には大切な水源となり、日常でもコミュニティ活動の中心として親しまれているようです。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目42−3付近

墨田区立言問小学校

言問小学校

言問小学校

言問小学校は、墨田区で唯一、戦前から建っている校舎を持つ公立小学校で、その歴史の長さに驚きました。

1937年に開校し、「白亜の殿堂」と呼ばれる美しい白い外観が特徴です。

現役の小学校としては珍しく、2023年には国の登録有形文化財にも登録されています。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目40−14

言問小学校のさらに詳しい情報は以下のページをご確認ください。

墨田区立言問小学校の校舎と講堂が国の登録文化財になりました(墨田区HP)

https://www.city.sumida.lg.jp/kosodate_kyouiku/tiiki_kyouiku_shien/bunkazai_hogo/bunkazai_itiran/new_shoukai/kototoishou_toushin.html

曳舟駅の読み方と由来は?長命寺の井戸や桜餅の歴史を探る東向島散策|後編

長命寺

長命寺

長命寺

長命寺は1615年頃に創建されたとされ、比叡山延暦寺を本山とする寺院です。

江戸時代の3代将軍徳川家光が鷹狩り中に腹痛に見舞われ、寺内の井戸水で薬を服用し、痛みが治まったという逸話から「長命水」と名付けられ、その後「長命寺」と名づけられました。

境内には多くの石碑や松尾芭蕉の句碑などがあり、文化的な価値も高いです。

また、隅田川七福神の一つである弁財天を本堂に祀り、正月には多くの参拝者で賑わいます。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目4−4

長命水石文

長命水石文

長命水石文

長命寺の境内には長命水石文や復元された井戸を残しています。

この日は水が出ていませんでしたが、この日はちょうどお腹の調子が良くなかったので可能なら飲みたかったのですが...残念でした。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目4−4(長命寺 境内)

成島柳北の碑

成島柳北の碑

成島柳北の碑

成島柳北(1837-1884)は、江戸後期から明治時代に活躍した文人・ジャーナリストで、『朝野新聞』の創刊者です。

日本の近代ジャーナリズムの先駆者として知られ、長命寺の境内には彼を顕彰する碑が建てられています。

この碑には柳北の上半身が浮き彫りにされ、その業績を後世に伝えています。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目4−4(長命寺 境内)

墨堤通り(ぼくていどおり)

墨堤通り

墨堤通り

墨堤通りは、隅田川沿いを走る重要な都市計画道路となっています。

起点は墨田区吾妻橋の浅草通りと清澄通りの交差点(墨田区役所付近)から終点は足立区千住桜木の尾竹橋通りの千住桜木町交差点まで延長7kmの都道です。

ちなみに墨堤通りの読み方は【ぼくていどおり】です。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目

野口雨情の文学碑

野口雨情の文学碑

野口雨情の文学碑

野口雨情(のぐち うじょう、1882年5月29日 - 1945年1月27日)は、北原白秋、西條八十とともに、童謡界の三大詩人と言われています。

『七つの子』『赤い靴』『あの町この町』など数多くの名作を残しました。

野口雨情旧居は栃木県宇都宮市鶴田町にあります。(国の登録有形文化財)

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目-1 墨堤通り沿い

墨堤植桜の碑

墨堤植桜の碑

墨堤植桜の碑

墨堤の桜は、享保2年に八代将軍吉宗によって植えられたのが起源です。

桜の歴史が刻まれているこの碑は明治20年に建立されたとのことで、歴史を感じます。

てん額は旧幕臣榎本武揚の書とのことです。

榎本武揚像は梅若公園(墨田区堤通二丁目6番10号)にあります。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目-1 墨堤通り沿い

三浦乾也旧居・窯跡

三浦乾也旧居・窯跡

三浦乾也旧居・窯跡

幕末から明治時代に活躍した陶芸家の三浦乾也(みうら けんや、1821年4月5日(文政4年3月3日)‐ 1889年(明治22年)10月9日)の旧居・窯跡です。

長崎で西洋の造船術や金属加工技術を学び、安政3年(1856年)には仙台に招かれ、帆船「開成丸」の建造に総棟梁として携わり一躍その名を知られることとなったそうです。

その後、1875(明治8)年54歳で向島長命寺に移り、境内の一隅に築窯し、根付、印籠、帯止めなどの創作に励み、特に簪の珠は「乾也玉」の名で流行したと看板に書いてありました。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5-1-14

長命寺桜もち 山本や

長命寺桜もち 山本や

長命寺桜もち 山本や

江戸時代から続く老舗和菓子店「山本や」は、関東風桜もちの発祥店として知られています。

1717年の創業以来、隅田川沿いで営業を続け、伝統的な製法を守り続けています。

その桜もちは、小麦粉の薄い生地に北海道産小豆のあんこを包み、西伊豆産の桜の葉で包んだ独特の風味が特徴です。

江戸時代から多くの人々に愛され、文人たちにも親しまれてきました。

300年以上にわたり、変わらぬ味と製法で江戸の伝統を今に伝える貴重な存在として、日本の和菓子文化に大きな影響を与え続けています。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目1−14

正岡子規仮寓の地

正岡子規仮寓の地

正岡子規仮寓の地

近代俳句の革新者、正岡子規が一時期生活した場所です。

向島の風景を愛した子規は、「長命寺 桜もち」で有名な和菓子店「山本や」の2階を3ヶ月ほど借り、「月香楼(げっこうろう)」と名付けて住みました。

日清戦争に従軍記者として参加した際に「から山の 風すさふなり 古さとの 隅田の櫻 今か散るらん」と詠んだ子規。

彼が愛した墨堤の桜は、現代の私たちも毎年楽しむことができる、時代を超えた美しい風景となっています。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目1−14(長命寺桜もち 山本や横)

黄檗宗 牛頭山 弘福寺

牛頭山 弘福寺

牛頭山 弘福寺

牛頭山弘福寺は、墨田区向島に位置する黄檗宗の寺院で、隅田川七福神の一つとして知られています。

布袋尊を祀るこの寺は、江戸時代文化年間に始まった隅田川七福神めぐりの重要な一角を占めています。

この七福神めぐりは200年以上の歴史を持ち、都内最古のものの一つとされ、今も多くの参拝者を集めています。

この写真の場所はおそらく弘福寺の裏側にあたる場所となっています。

【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目3−2

曳舟駅の読み方と由来は?長命寺の井戸や桜餅の歴史を探る東向島散策|まとめ

今回の曳舟散歩では、墨田区東向島周辺の歴史と文化の魅力を探りました。

曳舟駅周辺から始まり、東向島の路地裏を歩きながら、長命寺の伝説の井戸や老舗和菓子店「山本や」を巡りました。

皆さんのお気に入りの場所はどこでしたか?

この記事が皆さんの墨田区観光のお役に立てると幸いです。

「れきちり散歩」のYouTubeチャンネルでは、他の街歩き動画も配信中です。

次に訪れてほしい場所があれば、ぜひコメントでお知らせください。

次回の散歩もお楽しみに!

散歩ルート(まとめ)

1:東武スカイツリーライン 曳舟駅
【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島2丁目26

2:東武スカイツリーライン 曳舟駅西口
【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島2丁目26

3:ふじのき公園(ラジオ体操広場)
【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島2丁目7−5

4:東向島一丁目 交差点
【住所】〒131-0032 東京都墨田区東向島1丁目27

5:鳩の街通り商店街
【住所】〒131-0032 東京都墨田区向島5丁目50−13

6:路地尊(ろじそん)
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目42−3付近

7:墨田区立言問小学校
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目40−14

8:長命寺
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目4−4

9:墨堤通り
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目

10:野口雨情の文学碑
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目-1 墨堤通り沿い

11:墨堤植桜の碑
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目-1 墨堤通り沿い

12:三浦乾也旧居・窯跡
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5-1-14

13:長命寺桜もち 山本や
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目1−14

14:正岡子規仮寓の地
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目1−14(長命寺桜もち 山本や横)

15:黄檗宗 牛頭山 弘福寺
【住所】〒131-0033 東京都墨田区向島5丁目3−2

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