埼玉県さいたま市岩槻区は「人形のまち」として全国的に知られ、毎年春になると様々なひな祭り関連イベントで賑わいます。
2025年も伝統ある「流しびな」や「まちかど雛めぐり」など魅力的な催しが開催されます。
日本有数の人形産地ならではの見どころをたっぷりご紹介します。
記事のポイント
- 岩槻「流しびな」開催日時と場所
- 人形のまち岩槻「まちかど雛めぐり」の見どころ
- 「愛宕神社大雛段飾り」や「ひな市」の日程
- 岩槻城址公園の案内図や駐車場の場所
人形のまち岩槻「流しびな」の開催日時と場所|岩槻ひな祭り2025の見どころを紹介
人形のまち岩槻「流しびな」とは
「流しびな」は、ひな祭りの原型ともいわれる伝統行事です。
子どもたちの無病息災を願い、ひな人形の原型とされる「桟俵(さんだわら)」に人形を乗せて水に流す春の風物詩となっています。
この行事の起源は古く、およそ千年前の「源氏物語」にも登場します。
もともとは上巳の節句(3月3日)に人の形をした紙(ひとかた・形代)で身体をなで、息を吹きかけて穢れや災いを移し、川や海に流す祓いの行事だったと言われています。
岩槻の「流しびな」では、米俵の丸い蓋である「さん俵」に人形を乗せて菖蒲池に流します。
親子で見守る姿からは、子どもの健やかな成長を願う気持ちが伝わってきます。
「流しびな」の開催日と時間
2025年の「人形のまち岩槻流しびな」は以下の日程で開催されます。
人形のまち岩槻流しびな
- 開催日: 令和7年(2025年)3月2日(日)
- 開催時間: 10:00~14:00(流しびな本体は11:00から開始)
- 雨天: 決行
流しびなは例年3月3日直前の日曜日に行われており、今年は3月2日(日)の開催となります。
子どもたちの健やかな成長と幸せを祈って伝統を受け継ぐこの特別な行事に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「流しびな」の会場|岩槻城址公園とは
「流しびな」が行われる岩槻城址公園は、かつての岩槻城の城跡を活かして整備された公園です。
自然林が豊かで森林浴も楽しめる、市民の憩いの場となっています。
岩槻城は室町時代の長禄元年(1457年)に築城され、その後江戸時代には徳川氏の譜代大名が城主を務めた由緒ある城です。
城下町として、また日光御成街道の宿場町として栄えた岩槻の歴史を今に伝えています。
園内には朱塗りの八ッ橋が架かる菖蒲池があり、この池で「流しびな」の行事が執り行われます。
菖蒲池に浮かぶ色とりどりの人形は、春の訪れを感じさせる美しい光景となります。

岩槻城址公園:菖蒲池
岩槻のひな祭り「まちかど雛めぐり」の開催期間
2025年の岩槻「まちかど雛めぐり」は第22回を迎え、以下の期間で開催されます。
- 開催期間: 令和7年(2025年)2月22日(土)~3月9日(日)
- 開催場所: 岩槻駅東口周辺商店街
- 開催時間: 午前10時より(各参加店・会場によって終了時間は異なります)
「まちかど雛めぐり」では、岩槻駅前通りの商店街など約60店舗に雛人形が飾られ、まち全体が人形の博物館のようになります。
「観る・創る・食べる」をコンセプトに、様々な催しが行われるので、ひな祭りシーズンの岩槻を存分に楽しむことができます。

人形のまち岩槻「まちかど雛めぐり」パンフレット
まちかど雛めぐり「愛宕神社大雛段飾り」とは
「愛宕神社大雛段飾り」は、まちかど雛めぐりの見どころの一つです。
愛宕神社の27段の石段に約400体もの人形を飾るスケールの大きな展示となっています。
愛宕神社大雛段飾り2025年
【2025年の開催日程|計6日間】
- 2月22日(土)
- 23日(日・祝)
- 24日(月・振休)
- 3月1日(土)
- 2日(日)
- 3日(月)
【開催時間】
- 10:00~16:00(雨天中止)
愛宕神社は岩槻城の大構(土塁)の上に鎮座しており、歴史的にも貴重な場所です。
岩槻城の大構は、戦国末期に太田氏房により構築されたと伝えられ、現在は愛宕神社にその遺構を残すのみとなっています。(さいたま市文化財紹介より)
この歴史的な石段に彩り豊かなひな人形が飾られる様子は圧巻で、多くの観光客が訪れる人気スポットです。

岩槻愛宕神社大雛壇飾り(写真:まちかど雛巡りパンフレットより)
まちかど雛めぐり「ひな市」とは
岩槻駅東口クレセントモールでは、「ひな市」が開催されます。
毎年恒例の「ひな市」では、人形の街ならではの品揃えで訪れる人々を楽しませます。
同時に「たまこちフェスタ」も開催され、岩槻の手作り作家さんの展示即売会や木目込みストラップ制作体験なども楽しめます。
また、まちかど雛めぐりの期間中は、他にも様々な展示や体験ができます。
まちかど雛めぐり「ひな市」2025
- 開催日: 3月2日(日)
- 開催時間: 10:00~15:00
- 公式サイト:https://hinameguri.com/hinaichi2025
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岩槻「流しびな」の開催場所や駐車場までのアクセス方法|ひな祭り2025年の日程や案内所情報
岩槻「流しびな」の会場|岩槻城址公園のアクセス方法
「流しびな」の会場は岩槻城址公園の菖蒲池です。
岩槻駅東口から岩槻城址公園までは徒歩約25分かかりますが、沿道には見どころとなるスポットが多くあるため、散策しながら歩けば距離の長さをそれほど感じないでしょう。
岩槻城址公園へのアクセス方法は以下の通りです。
岩槻城址公園アクセス方法
【住所】
埼玉県さいたま市岩槻区太田3-4 岩槻城址公園内
【電車でのアクセス】
東武アーバンパークライン(野田線)岩槻駅東口から徒歩約25分
【車でのアクセス】
東北自動車道岩槻ICから約10分(国道16号で春日部方面へ)
岩槻駅東口から岩槻城址公園へのルートは以下の地図をご確認ください。
また、近隣には2020年2月22日に開館した「さいたま市岩槻人形博物館」があります。
日本初の人形専門公立博物館として、岩槻に伝わる人形作りの技術や日本文化における人形の美と歴史を紹介しています。
ひな祭りの行事と合わせて訪れるのもおすすめです。

岩槻人形博物館(2025年2月撮影)
岩槻城址公園のマップ(案内図)
岩槻城址公園は自然豊かな公園で、春には約500本の桜が咲き誇る桜の名所としても知られています。
人形のまち岩槻「流しびな」の会場となる「菖蒲池」は公園の南側に位置しています。
岩槻城址公園内にある案内図(下の写真)をご確認ください。
園内には以下のような施設があります。
- テニスコート
- 野球場
- わんぱく広場(遊具設置)
- ピクニック広場
- バッテリーカー
- 菖蒲池(朱塗りの八ッ橋が架かる)
- ロマンスカーきぬ号(展示)
子どもから大人まで楽しめる設備が整っており、家族連れでのお出かけにぴったりの場所です。

岩槻城址公園に展示されている「特急きぬ」
岩槻城址公園の駐車場
岩槻城址公園には駐車場が設けられていますが、「流しびな」開催当日は多くの来場者が予想されるため、公共交通機関の利用が推奨されています。
駐車場を利用する場合は、混雑が予想されるため早めの到着をおすすめします。
「流しびな」の会場へ一番近いのは第3駐車場となります。
各駐車場の場所と写真をアップしておきますので、事前にご確認しておくとスムーズに移動できるでしょう。

岩槻城址公園:第1駐車場

岩槻城址公園:第2駐車場

岩槻城址公園:第3駐車場
また、周辺道路の渋滞も予想されるので時間に余裕を持ってお出かけください。
イベント期間中は特別な交通規制が敷かれる場合もありますので、最新情報をご確認の上でお出かけください。
岩槻ひな祭り「まちかど雛めぐり」の案内所
岩槻駅東口には「まちかど雛めぐり」の期間中、案内所が設置されています。
案内所のスタッフが丁寧にイベント内容や見どころを説明してくれるので、初めて岩槻を訪れる方は、まずここで情報収集することをおすすめします。
専門ガイドによる案内も受けられ、料金は1人300円(90分)となっています。
ガイドの受付時間は以下の2回です。
①11:00~12:30
②14:00~15:30
案内所は岩槻駅東口ロータリーにあるクレセントモールの前に位置しており、駅を出てすぐに見つけることができます。
イベントの全体像を把握したい方や、効率よく名所を回りたい方は、ぜひ立ち寄ってみてください。

まちかど雛めぐり案内所(岩槻駅東口クレセントモール前)
人形のまち岩槻「流しびな」や「ひな祭り」の開催日時や場所、アクセス方法について総括
岩槻区は約370年前の江戸時代から人形づくりが始まり、現在では「江戸木目込人形」「岩槻人形」が経済産業大臣から伝統的工芸品として指定される日本一の人形のまちとなっています。
「流しびな」や「まちかど雛めぐり」などのひな祭り行事は、そんな岩槻の歴史と文化を感じることができる貴重な機会です。
子どもたちの健やかな成長を願う「流しびな」、町全体が人形の博物館となる「まちかど雛めぐり」など、岩槻ならではのひな祭りをぜひお楽しみください。
以下、記事のポイントをまとめます。
まとめ
- 2025年の「人形のまち岩槻流しびな」は3月2日(日)10:00~14:00に開催される
- 流しびなはひな祭りの原型とされ、子どもの無病息災を願う伝統行事
- 会場の岩槻城址公園菖蒲池は、太田道灌が築城した岩槻城の跡地にある
- 「まちかど雛めぐり」は2月22日(土)~3月9日(日)の期間、岩槻駅東口周辺で開催される
- 愛宕神社では27段の石段に約400体のひな人形を飾る「大雛段飾り」が見られる
- 岩槻駅東口クレセントモールでは3月2日(日)に「ひな市」と「たまこちフェスタ」が同時開催される
- 岩槻の人形づくりの歴史は約370年前の江戸時代に始まり、現在では日本一の人形産地となっている
- 岩槻城址公園へは東武アーバンパークライン岩槻駅東口から徒歩約25分でアクセスできる
- 2020年に開館した「さいたま市岩槻人形博物館」は日本初の人形専門公立博物館である
- イベント期間中は駐車場や周辺道路の混雑が予想されるため、公共交通機関の利用が推奨される