春日部市で長年親しまれてきた「イトーヨーカドー春日部店」が、2024年11月24日に閉店しました。
地域のランドマークとして知られるこの店舗は、1972年の開店以来、食品、衣料品、生活雑貨などを幅広く提供し、地元住民に愛され続けてきました。
また、人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の舞台「サトーココノカドー」としても有名で、国内外から多くのファンが訪れる観光名所の一面も持っていました。
しかし、収益性の低下や競争激化を背景に、イトーヨーカドー全体の店舗再編の一環として閉店が決定。
本記事では、閉店理由や跡地の活用計画、地域に与えた影響など、「イトーヨーカドー春日部店」について詳しくご紹介します。
記事のポイント
- イトーヨーカドー春日部店の歴史と閉店理由
- 閉店日のオープン時と営業終了時の実際の様子
- 閉店後も看板に明かりがついていた理由
- イトーヨーカドー春日部店の跡地の活用予想
イトーヨーカドー春日部店の閉店理由|閉店日の様子と跡地の情報
- イトーヨーカドー春日部店がついに52年の歴史に幕
- クレヨンしんちゃんの聖地:イトーヨーカドー春日部店が閉店した理由
- 閉店日のオープン時間の様子:店舗の周りは長蛇の列
- 最後は大勢に見守られながら閉店:シャッターが閉まるまで
- イトーヨーカドー春日部店の跡地はどうなるのか
イトーヨーカドー春日部店がついに52年の歴史に幕
春日部の街に52年間、地域の人々に親しまれてきたイトーヨーカドー春日部店が、その長い歴史に幕を下ろしました。
1972年に開店し、1996年に現在の場所に移転した同店は、地下1階から地上5階まで、食品から衣料品、生活雑貨まで多彩な商品を取り揃えてきました。
かつて東口のロビンソン百貨店(後の西武)と西口のイトーヨーカドーが、春日部の買い物の中心地でした。
ロビンソン百貨店(2013年から西武に名称変更)が2016年に閉店し、今回イトーヨーカドーも撤退。
地域住民にとって、街の風景が大きく変わる寂しい出来事となりました。
映画とのコラボやクレヨンしんちゃんのオリジナルグッズ売り場など、地域に深く根ざした同店。
イトーヨーカドーの店舗網再編により、今年7月に閉店が決まり、春日部の思い出深い商業施設が姿を消しました。
クレヨンしんちゃんの聖地:イトーヨーカドー春日部店が閉店した理由
クレヨンしんちゃんの聖地として知られた春日部のイトーヨーカドーは、単なる商業施設以上の存在でした。
東武線春日部駅近くに位置し、市内が舞台のマンガ「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」は、国内外のファンから愛される特別な場所でした。
過去には、アニメとのタイアップで看板を期間限定で「サトーココノカドー」に改装するなど、ファンを喜ばせる仕掛けを多数実施。
サトーココノカドーのグッズが置かれたフロアは、特に人気が高く、韓国や台湾など海外からの観光客も多く訪れていました。
しかし、イトーヨーカドーが直面した構造的な課題は深刻でした。
1号店である北千住店も業態を変更し、規模を縮小。
津田沼店や竹ノ塚店など、長い歴史を持つ店舗が次々と閉店する中、春日部店も同様の運命をたどることになりました。
特に2階以上の売り場の収益性が時代の変化とともに著しく低下。
食料品は比較的安定していたものの、衣料品や日用雑貨の売上は大きく苦戦していたようです。
競合他社が都市部に「集中」出店し、効率的な店舗展開を進める中、イトーヨーカドーは広範囲に分散した店舗戦略から抜け出せなかったと言われています。
ユニクロやニトリ、ドラッグストアとの厳しい競争、そして変化する消費者ニーズへの対応の遅れが、春日部店を含む多くの店舗の閉店につながったとされています。
クレヨンしんちゃんファンにとって、愛された聖地の閉店は寂しい出来事となりました。
閉店日のオープン時間の様子:店舗の周りは長蛇の列
イトーヨーカドー春日部店の最終営業日。
開店前から店舗の周りには多くの人々が集まり、建物を取り囲むように長い列が形成されていました。
訪れた人々の目的は様々で、閉店セールでの掘り出し物を求める方々はもちろん、
長年の思い出の詰まった店舗に最後の別れを告げに来た地域の方々、そしてクレヨンしんちゃんファンまで、幅広い来店客で賑わいました。
店内は最後の営業日とあって活気に満ち溢れ、大幅値下げされた商品を求めて、多くの人々が最後のショッピングを心ゆくまで楽しんでる様子でした。
最後は大勢に見守られながら閉店:シャッターが閉まるまで
午後7時、イトーヨーカドー春日部店の最終営業時間。
店舗の前には大勢の人々が集まり、まるで祭りのような雰囲気。
あまりの人の多さにイトーヨーカドーの従業員が交通整理をしたり、パトカーが巡回しながら案内をしたりするほどでした。
正直これだけ多くの人が集まるほど、地域の人に親しまれていた店舗なの閉店する必要はなかったのでは?と思ったのは私だけではないはずです。
閉店の時間になると「ありがとう」や「帰ってきて」などの声が響く中、シャッターが静かに下りていきました。
安全面への配慮から閉店セレモニーは行われませんでしたが、多くの人々が52年の歴史の最後の瞬間を見守り、惜しむ表情を浮かべていました。
イトーヨーカドー春日部店の跡地はどうなるのか
イトーヨーカドー春日部店の跡地利用について、現在、様々な観点から注目が集まっています。
ネット上では、跡地に関して「交渉中」との情報がありましたが、閉店について発表されたのも2024年7月ということもあり、まだ決まっていないというのが現状のようです。
ただ、閉店による地域への影響は多岐にわたります。
夜間の人流減少が懸念されるため、市は防犯面から看板の点灯継続を店側に要請したと言われています。
さらに、周辺店舗の集客への影響を最小限に抑えるため、春日部商工会議所や地元商店街と連携し、対策を検討しているようです。
跡地活用の予想については後編で解説します。
イトーヨーカドー春日部店はなぜ閉店後も看板が点灯しているのか?その理由と跡地の予想
- イトーヨーカドー春日部店は閉店後も看板が点灯していると話題に!その理由とは
- 閉店から5日後の現地の様子:看板に明かりはついているのか?
- イトーヨーカドー春日部店の跡地の予想
- 春日部駅西口の再開発計画
イトーヨーカドー春日部店は閉店後も看板が点灯していると話題に!その理由とは
イトーヨーカドー春日部店が2024年11月24日に閉店したにもかかわらず、翌日も看板に明かりが点いていることが話題となっています。
こちらは【youyouさん】のXの投稿です。
おそらく春日部駅の野田線ホームから撮影されたこの写真は、まるで店舗が営業中であるかのような印象です。
今宵も看板が光ってるよ!#イトーヨーカドー春日部店 #閉店したんじゃないの? pic.twitter.com/eSDXTYtd3m
— youyou (@kuniyouyou) November 25, 2024
Yahoo!ニュースの記事によると、春日部市はセブン&アイ・ホールディングスに対し、防犯面の観点から屋上看板の点灯を閉店後も継続するよう要請したとのこと。
ちなみに看板の点灯期間については現時点で未定のようです。
イトーヨーカドー春日部店「閉店したのに看板照明ついてる…」一体なぜ? 背景に“切実な問題” クレしん「サトーココノカドー」モデル
https://news.yahoo.co.jp/articles/09761a508132972c2b3c0c711484f9b97f10b8ca
個人的にはサトーココノカドーの看板にして点灯し続けてくれたら、話題のスポットになるのにと少し期待してしまいます。
閉店から5日後の様子:看板に明かりはついているのか?
閉店直後に看板の明かりが点灯していると話題になったイトーヨーカドー春日部店。
その後の状況が気になり、閉店から5日後の11月29日に現地を訪れてみました。
Yahoo!ニュースでは看板の点灯期間は「未定」と報じられていましたが、実際に確認したところ、看板の明かりは既に消えていました。
店舗の外観は閉店後の解体作業が始まっているようで、看板の周りには足場が組まれ、壁面にあったロゴマークもはがされた跡だけが残っていました。
話題となった看板の明かりは、閉店直後のごく短い期間だけのことだったようです。
長年、この場所のランドマークとして輝いていたイトーヨーカドーの看板が消えたことで、周辺はひときわ寂しい雰囲気に包まれていました。
イトーヨーカドー春日部店の跡地の予想
イトーヨーカドー春日部店の跡地利用について、地域住民の関心は高まっています。
過去の同社の店舗閉店事例を見ると、興味深い傾向が浮かび上がります。
竹ノ塚店の跡地にはヤマダ電機が進出予定であり、津田沼店の跡地にはイオンが出店を決定。
加須店の跡地ではヤオコーを中心とした多店舗型ショッピングセンターが誕生しています。
これらの事例は、イトーヨーカドー閉店後の跡地活用のトレンドを示しています。
しかし、春日部エリアは既に家電、スーパーマーケット、総合ショッピングモールが充実しており、単純に同様の出店パターンを適用するのは難しいと考えられます。
Tecc LIFE SELECT春日部本店、イオンモール春日部、ララガーデン春日部など、既存の大型商業施設が地域のニーズを十分に満たしているため、新たな出店には慎重な戦略が求められます。
跡地活用には、地域の商業バランスや住民のライフスタイルを徹底的に分析し、差別化された価値提案が不可欠となるでしょう。
そこで今、注目されているのは、ディスカウント型食品スーパーの「ロピア」です。
ロピアはイトーヨーカドーの閉店7店舗を承継されると報道があったのでご存じの方も多いはず。
このようにロピアはイトーヨーカドーの他店舗跡地への出店実績もあり、有力な候補と言えるでしょう。
地域住民からは、IDC大塚家具が入っていたイトーヨーカドー春日部店旧店舗のような寂れたエリアにならないよう、活気のある施設への期待の声が上がっています。
春日部駅西口の再開発計画
現在春日部駅は高架化工事が進められており、春日部駅西口周辺の再開発に関心が集まっています。
特に注目すべきは、イトーヨーカドー春日部店があったエリア春日部市中央一丁目の再開発計画。
約2.6ヘクタールの地域で、第1から第4街区までを対象とした市街地再開発事業が進行中のようです。
春日部駅の高架化と一体となったまちづくりを目指し、地元権利者が主体的に計画を練っているとのこと。
高架化のイメージについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
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イトーヨーカドー春日部店の閉店理由や跡地活用について総括
以下、記事の内容をまとめます。
まとめ
- イトーヨーカドー春日部店は52年間、地域住民に親しまれてきた歴史ある店舗
- 1972年に開店し、1996年に現在の場所に移転して営業していた
- 「クレヨンしんちゃん」の聖地「サトーココノカドー」としても国内外で有名
- 7月に閉店が発表され、2024年11月24日に正式に閉店した
- 閉店理由は、2階以上の収益低下や競争激化、店舗戦略の遅れによるものだとされる
- 閉店日の朝には多くの人が集まり、最終営業日は地域住民でにぎわった
- 閉店後も看板が点灯され、その理由は防犯目的で市から要請されていたから
- 跡地利用については現在未定だが、「ロピア」などのスーパーが進出する可能性あり
- 地域の商業バランスや住民のニーズに基づいた跡地活用が期待されている
- 春日部駅西口エリアの再開発計画との関連が注目を集めている