神田祭は、東京都千代田区にある神田明神(神田神社)の例大祭で、「日本三大祭り」「江戸三大祭り」の一つとして知られる歴史ある祭りです。
2年に1度の開催となる神田祭は、江戸時代から「天下祭」として親しまれ、今なお多くの人々を魅了し続けています。
2025年は本祭が開催される年となります。
祭りが近づくと神田の街は幟旗が立ち並び、駅周辺の企業やお店には軒花提灯が取り付けられ、街全体がお祭りムードに包まれます。
この記事では神田祭の開催日程や歴史、見どころについて詳しく解説します。
記事のポイント
- 神田祭令和7年(2025)の開催日程
- 江戸三大祭り「神田祭」の見どころ
- 神田明神の歴史や神田祭の由来
- 神田祭の開催場所やアクセス方法
神田祭2025の開催日程や時間を解説|どんな祭り?いつから始まった?歴史や由来を紹介
- 神田祭2025の開催日程
- 神田祭とは?祭りの歴史
- 江戸三大祭りとは?その由来を解説
- 神田祭の開催場所
神田祭2025の開催日程
神田祭は2年に1度、奇数年に開催される本格的な祭りです。
2025年(令和7年)の神田祭は5月8日(木)から5月15日(木)までの期間で行われます。
主な行事は次の通りです。
令和7年(2025年)神田祭スケジュール
- 5月8日(木):19:00より 鳳輦神輿遷座祭
- 5月9日(金): 14:00頃より 氏子町会神輿神霊入れ
- 5月10日(土):終日 神幸祭(神田、日本橋、大手・丸の内、秋葉原巡行)
- 5月10日(土) :15:00頃より 附け祭
- 5月10日(土): 終日 神幸祭神輿宮入
- 5月11日(日) :終日 神輿宮入
- 5月14日(水) :11:00より 献茶式(表千家家元奉仕)
- 5月14日(水) :17:30開場 明神能・幽玄の花(金剛流薪能)
- 5月15日(木): 14:00 例大祭
特に5月10日の神幸祭と5月10日から11日にかけての神輿宮入が祭りの中心的な行事となります。
この時期は街のいたるところに神田祭のポスターが貼られ、普段はオフィス街として働く人が多いエリアが、祭りの時期になると街全体が活気に満ちあふれます。

神田のオフィス街:神田祭の旗(2025年5月9日撮影)
神田祭とは?祭りの歴史
神田明神は天平2年(730年)に創建され、約1300年の歴史があります。
神田祭が本格的に盛んになったのは、慶長8年(1603年)に徳川幕府が江戸に開かれて以降のことだと言われています。
特に関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康公が、戦勝祈願を行った神田明神に感謝し、祭礼を絶やさずに執り行うよう命じたことから、幕府の庇護のもとで発展しました。
江戸時代、神田祭は神輿や山車などの祭礼行列が江戸城内にまで練り込む盛大なものとなり、庶民たちからは「天下祭」と呼ばれるようになりました。
元和2年(1616年)には、現在の場所に神社が遷座され、江戸総鎮守として幕府や庶民から篤い崇敬を受けました。
明治時代になると祭りの様式にも変化が見られ、当初は多数の山車が出される盛大な祭礼が行われていましたが、明治22年頃を境に電線架線の影響などから山車が出されなくなったようです。
また、明治25年からは台風や疫病の流行時期を避けるため、それまでの9月から5月に祭月が変更されました。
大正時代に入ると、神社の神輿が渡御する「神輿渡御祭」へと変化し、各氏子町は町神輿を作り担ぐようになりました。
昭和に入ってからも形を変えながら継承され、戦後は「渡御祭」から「神幸祭」に名称が変更されました。
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神田祭についてもっと詳しく知りたい方は以下の公式サイトをご確認ください。
神田祭について:神田祭特設サイト
江戸三大祭りとは?その由来を解説
神田祭は、深川にある富岡八幡宮の「深川八幡祭」、赤坂にある日枝神社の「山王祭」とともに「江戸三大祭り」と称されています。
また、京都府・八坂神社の「祇園祭」、大阪府・大阪天満宮の「天神祭」とともに「日本三大祭り」の一つとしても知られています。
江戸時代を通じて全国的に有名だった神田祭は、2年に1度の開催で、山王祭と隔年で斎行することが決められました。
この慣習は今日まで続いており、偶数年には山王祭、奇数年には神田祭が行われています。
神田祭が「天下祭」と呼ばれるようになったのは、江戸幕府の庇護を受け、江戸城・内曲輪内へと神輿や山車、附祭などからなる祭礼行列が練り込み、徳川将軍や御台所の上覧があったことに由来します。
江戸の庶民たちにとって、神田明神は「江戸総鎮守」として特別な存在であり、その祭礼も最も重要なものとして位置づけられていました。
神田祭の開催場所
神田祭の中心となるのは神田明神(千代田区外神田2-16-2)ですが、祭り自体は神田・日本橋の氏子108町会のエリアで行われます。
特に神幸祭では、巡行コースは約30kmにわたり、神田、日本橋、大手・丸の内、秋葉原を巡ります。
中央通り(日本橋~神田)では、神幸祭の際に日本橋で「附け祭」と合流し、数千人規模の絢爛豪華な行列が見られます。
鳳輦(神様の乗り物)や平安時代の衣装をまとった参加者、獅子舞や山車が街を埋め尽くし、江戸の伝統文化を体感できる圧巻の光景が広がります。
神輿宮入では、108町会から200基以上の神輿が「わっしょい!」の掛け声と共に神田明神へ続々と到着します。
担ぎ手たちは町会ごとに色とりどりの半纏を着用し、神輿を上下に揺らしながら練り歩く姿は祭りの最大の見せ場です。
特に宮入の瞬間は、担ぎ手たちの一体感が爆発し、観客も熱気に包まれます。
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- 神田祭2025の開催日程と時間帯
- 神田祭の内容や見どころ
- 神田明神の歴史
- 神田明神へのアクセス方法
神田祭2025の開催日程と時間帯
2025年(令和7年)の神田祭は、5月8日(木)から5月15日(木)までの8日間にわたって開催されます。
主要な行事には以下のようなスケジュールが組まれています。
最初の行事は5月8日(木)19:00からの「鳳輦神輿遷座祭」で、神様が鳳輦へと移られる神聖な儀式です。
翌9日(金)の14:00頃からは「氏子町会神輿神霊入れ」が行われ、各町会の神輿に神様の霊が入れられます。
祭りのメインイベントとなるのは、5月10日(土)の終日行われる「神幸祭」です。
神田、日本橋、大手・丸の内、秋葉原を巡行する豪華な行列が見られます。
同日15:00頃からは「附け祭」も行われ、さらに祭りは盛り上がります。
5月10日(土)から11日(日)にかけては「神輿宮入」が終日行われ、各町会の神輿が次々と神田明神に参拝します。
5月14日(水)には11:00から「献茶式」、17:30開場で「明神能・幽玄の花」が催され、最終日の5月15日(木)14:00には「例大祭」で締めくくられます。

神田祭:神田駅東連合渡御のポスター(2025年)
神田祭の内容や見どころ
神田祭の最大の見どころは、何と言っても「神幸祭」と「神輿宮入」です。
神幸祭では、鳳輦を中心に時代装束の行列が街を練り歩きます。
これは江戸時代から続く伝統的な行列で、当時の華やかさを今に伝えています。
祭りの時期には、普段スーツ姿のビジネスマンたちが行き交う神田の街が、神田祭の旗や飾りで彩られ、歴史と現代が交差する独特の風景が生まれます。
神輿宮入では、神田の氏子108町会から大小約200基を超える神輿が神田明神に集結します。
町会ごとに異なる色鮮やかな半纏を着た担ぎ手たちが、「わっしょい!」の掛け声とともに神輿を担ぎ上げる姿は圧巻です。
担ぎ手たちは神輿を上下に激しく揺らしながら境内へと入っていき、その熱気と迫力は見る者を圧倒します。
また、江戸の伝統文化を色濃く残す祭りとして、諌鼓鶏の山車の復活や将門武者行列など、様々な神賑行事も行われます。
近年ではインターネットによる生中継も実施され、「神田祭.ch」ではレポート記事や動画配信、フォトコンテストなども開催されています。
神田祭は、30万人以上が訪れる大規模な祭りで、江戸の伝統と文化を体感できる貴重な機会です。
江戸総鎮守 神田明神 公式チャンネル(YouTube)
神田明神の歴史
神田明神は、社伝によると天平2年(730年)に出雲氏族の真神田臣(まかんだおみ)により、武蔵国豊島郡芝崎村(現在の東京都千代田区大手町・将門塚周辺)に創建されました。
その後、延慶2年(1309年)には時宗の遊行僧・真教上人により、平将門公の御霊も奉祀されることになりました。
戦国時代には太田道灌や北条氏綱といった名武将によって崇敬され、江戸時代に入ると徳川家康の戦勝祈願が成就したことから幕府の尊崇する神社となりました。
元和2年(1616年)には江戸城の表鬼門守護の役割を担うため、現在の場所に遷座し、幕府により社殿が造営されました。
以後、「江戸総鎮守」として幕府から庶民まで篤い崇敬を受けました。
明治時代に入ると社名を神田明神から神田神社に改称し、「准勅祭社」「東京府社」に定められました。
明治7年(1874年)には明治天皇も親しく参拝されています。
大正12年(1923年)の関東大震災で江戸時代後期の社殿は焼失しましたが、昭和9年に鉄骨鉄筋コンクリート、総朱漆塗の社殿が再建されました。
この社殿は第二次世界大戦の空襲でも耐え抜き、現在に至るそうです。
神田明神には、一之宮の大己貴命(おおなむちのみこと・だいこく様)、二之宮の少彦名命(すくなひこなのみこと・えびす様)、三之宮の平将門命(たいらのまさかどのみこと・まさかど様)の三柱の神様が祀られています。
それぞれ縁結び、商売繁昌、除災厄除の御利益があるとされています。
神田明神へのアクセス方法
神田明神は東京都千代田区外神田2-16-2に位置し、複数の駅からアクセスが可能です。
【電車でのアクセス】
- JR中央線・総武線 御茶ノ水駅(聖橋口)より徒歩5分
- 京浜東北線・山手線 秋葉原駅(電気街口)より徒歩7分
- 東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅(1番口)より徒歩5分
- 東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅(B1出入口)より徒歩5分
- 東京メトロ銀座線 末広町駅より徒歩5分
- 東京メトロ日比谷線 秋葉原駅より徒歩7分
【バスでのアクセス】
都バス茶51 (駒込駅南口←→御茶ノ水線)
「神田明神」下車、徒歩1分
神田祭の期間中は多くの参拝客で賑わうため、公共交通機関の利用をおすすめします。
特に神幸祭や神輿宮入が行われる日は交通規制が実施される場合もありますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
神田祭2025の開催日程・時間・神田明神の歴史・祭りの由来について総括
以下、記事のポイントをまとめます。
まとめ
- 神田祭は2025年5月8日~15日に開催
- 神田祭は2年に1度、奇数年に行われる伝統行事
- 神田明神は天平2年(730年)創建で約1300年の歴史がある
- 徳川家康の戦勝祈願が成就し「天下祭」と呼ばれるようになった
- 神幸祭は5月10日に神田、日本橋、大手町などを巡行する
- 神輿宮入では約200基の神輿が神田明神に集結する
- 神田祭は江戸三大祭りの一つとして広く知られている
- 神田明神には三柱の神様が祀られている
- 神田祭には例年30万人以上の人が訪れる盛大な祭り
- 明治25年に祭月が9月から5月に変更された
- 神田明神は「江戸総鎮守」として篤い信仰を集めてきた
- 神田祭は山王祭と隔年で行われる慣習が続いている