東急プラザ銀座は「閉店ラッシュ」「ガラガラ」という噂が広がっています。
2025年2月に香港系ファンドによる約1,500億円超の買収が発表され、さらに注目を集めているこの商業施設の実態はどうなっているのでしょうか。
土曜日の人出が多い時間帯に現地を訪れ、1階から最上階まで各フロアを回って調査してきました。
噂の真相や人気店舗の現状、そして2026年に予定される大規模改修後の展望まで、写真とともに詳しくレポートします。
ポイント
- 東急プラザ銀座の基本情報とビルの歴史
- 香港の不動産投資ファンドによる東急プラザ銀座買収について
- 閉店ラッシュでガラガラという噂のフロアの様子
- 行列になっている飲食店の写真や東急プラザ銀座の今後について
東急プラザ銀座の現状|閉店ラッシュでフロアはガラガラ?買収発表後のビル様子を写真で紹介
- 東急プラザ銀座とは?
- 香港の不動産投資ファンドに買収されると発表
- 銀座駅直結の好立地なのにガラガラだと噂される理由
- 東急プラザ銀座の前に何があった?ビルがある場所の歴史
東急プラザ銀座とは?
東急プラザ銀座は2016年3月、銀座の象徴的な場所である数寄屋橋交差点に誕生した大型商業施設です。
地上11階・地下2階の建物には、ファッション、雑貨、飲食など約125店舗が出店し、銀座エリア最大級の規模を誇ります。
外観は日本の伝統工芸「江戸切子」をモチーフにデザインされ、建物全体から美しい光を放っています。
6階には「キリコラウンジ」という文化イベントやアート展が開催されるパブリックスペースを備え、単なる商業施設以上の魅力を発信。
22,000㎡という広大な店舗面積を持ち、東急グループの銀座進出を象徴する施設として話題を集めました。
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東急プラザ銀座:外観
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東急プラザ銀座からの景色:数寄屋橋交差点付近
香港の不動産投資ファンドに買収されると発表
2025年2月7日、香港の大手不動産投資ファンド「ガウ・キャピタル・パートナーズ」が、シンガポールの投資会社「ペイシャンス・キャピタル・グループ」との共同買収を発表。
買収額は10億ドル(約1,500億円)を超え、ガウ・キャピタルにとって日本最大規模の案件となります。
合弁会社の株式保有比率は、ガウ・キャピタルが91%、ペイシャンス・キャピタルが9%。
円安を背景とした訪日外国人の増加で好調な日本の小売業界に着目し、テナント構成を見直して新たな商業施設づくりを目指すとされています。
詳しくは以下のプレスリリースをご確認ください。
ガウ・キャピタル・パートナーズとペイシャンスキャピタルグループが東京・銀座を象徴する大型商業施設の買収を完了(PR TIMES)
銀座駅直結の好立地なのにガラガラだと噂される理由
銀座駅直結という絶好の立地にもかかわらず、近年は人通りの少なさが目立つようになりました。
主な要因は、コロナ禍による訪日観光客の激減と、それに伴う相次ぐテナントの撤退にあります。
特に「HINKA RINKA」や「HANDS EXPO」といった主力テナントの撤退は大きな痛手となりました。
また、2017年開業の「GINZA SIX」をはじめ、老舗の松屋銀座や三越銀座店との競争激化も集客減少の一因と言われています。
コロナ禍が明けて銀座に観光客が戻り、周辺施設が過去最高売上を記録する中、東急プラザ銀座は空きスペースの目立つ状況が続いています。
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東急プラザ銀座:4階フロアの空きテナント(2025年2月撮影)
2025年2月のとある土曜日に【東急プラザ銀座】を散歩したノーカット動画をYouTubeで公開しています。
動画の方が見やすい方は下のリンクから動画をご覧ください。
東急プラザ銀座の前に何があった?ビルがある場所の歴史
現在の東急プラザ銀座がある場所には、かつて「銀座東芝ビル」が建っていました。
1934年に竣工したこのビルは、マツダビルの名でも親しまれ、銀座のシンボル的存在として約70年もの間、街の歴史を見守ってきました。
建設は清水建設が手掛け、当時の銀座を代表する建築物として多くの人々の記憶に残っています。
しかし、長年の使用による老朽化が進んだため、再開発が決定。
その後、銀座エリアの活性化を目指す新たなプロジェクトとして、2016年に東急プラザ銀座が誕生することとなりました。
この場所は、数寄屋橋交差点という銀座の中心に位置し、常に街の顔として重要な役割を担ってきたのです。
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東急プラザ銀座:数寄屋橋交差点
東急プラザ銀座(数寄屋橋交差点)ビルの歴史
1934年
- 銀座TSビル(銀座東芝ビル)が数寄屋橋交差点に開業
- 清水建設による施工で「マツダビル」の愛称でも親しまれる
1956年
- 銀座TSビルの一部が「数寄屋橋阪急」としてオープン
- 以後、長年にわたり銀座のランドマークとして親しまれる
2004年
- 「モザイク銀座阪急」に改装・改称
- 新たなコンセプトで営業を開始
2012年
- 数寄屋橋阪急が閉店
- 新商業施設建設の計画がスタート
2016年3月
- 「東急プラザ銀座」がグランドオープン
- 地上11階・地下2階、全125店舗の大型商業施設として誕生
- 外観に江戸切子をモチーフにしたデザインを採用
2023年4月
- 東急不動産HDが三井住友トラスト・パナソニックファイナンスに売却
2025年2月
- 香港の投資ファンド「ガウ・キャピタル・パートナーズ」による買収が決定
- 約1500億円規模の取引として話題に
2026年(予定)
- 施設の大規模改修を予定
- 新たなテナント構成での運営開始を計画
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東急プラザ銀座の今|閉店ラッシュでガラガラと噂のフロアを写真で紹介|飲食店の賑わいや今後の展望
- 閉店ラッシュでガラガラだという噂は本当か?
- 一時期話題になったロッテ免税店の現状
- 地下2階(B2)の飲食店フロアは賑わっている?
- 10階の飲食店フロアの一部店舗で行列ができていた
- 東急プラザ銀座の今後について
閉店ラッシュでガラガラだという噂は本当か?
香港の不動産投資ファンドによる買収が発表された東急プラザ銀座。
SNSやYouTubeでは近年「銀座駅直結なのに空きテナントが多くガラガラ」という噂が広がっています。
その実態を確かめるため、人出の多い土曜日に現地を訪れました。
まず目についたのは、長いエスカレーターを上がった3階玄関フロアの閑散とした様子です。
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東急プラザ銀座:3階フロア・エスカレーター付近
続く4階は、SNSでも話題になっているフロアの一つ。
数寄屋橋交差点側という眺めの良い場所にもかかわらず、テナント撤退後の埃やゴミが目立ち、寂しい印象を受けます。
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東急プラザ銀座4階:閉店した店舗の案内板
5階には買い物客の姿が見られました。
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東急プラザ銀座5階の様子(2025年2月撮影)
6階の「キリコラウンジ」はフロアガイドを見ると改装中の表示。
エスカレーター側はシャッターが下りたままでした。
(LET‘S ENJOY TODAYと書かれていますが入れません...)
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東急プラザ銀座6階エスカレーター前(2025年2月撮影)
7階には「Lil.OFF-PRICE STORE」というお店が入っていました。
このフロアは外国人観光客の姿も見受けられました。
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東急プラザ銀座7階(2025年2月撮影)
特徴的だったのは、ショッピングをしている人の姿ではなく、館内の休憩スペースの椅子で休んでいる人の姿です。
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東急プラザ銀座3階休憩スペース(2025年2月撮影)
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東急プラザ銀座7階:休憩スペース(2025年2月撮影)
実際に歩いてみて感じたことは、ビルの構造が複雑でわかりにくいということです。
銀座駅直結という好立地でありながら、施設の売却に追い込まれた背景には、このビルの複雑な構造も要因の一つかもしれません。
地下からのアクセスを体験してみると、特にその動線の分かりにくさを実感しました。
一時期話題になったロッテ免税店の現状
オープン当初話題になったロッテ免税店。
こちらも買い物している人は少なく、閑散としています。
韓国まで行かずともロッテ免税店で買い物が出来るという利点を持ちながら、期待されたほどの賑わいは見られません。
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東急プラザ銀座9階:ロッテ免税店
地下2階(B2)の飲食店フロアは賑わっている?
銀座駅に直結するB2フロアは、比較的活気がありました。
14時過ぎでもこの賑わいですから、ランチタイムはさらなる混雑が予想されます。
ただし、この人の流れが上層階の商業フロアまで及んでいる様子は見られませんでした。
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東急プラザ銀座B2(2025年2月撮影)
10階の飲食店フロアの一部店舗で行列ができていた
商業フロアとは対照的に、10階の飲食フロアは驚くほどの賑わいを見せていました。
ランチタイムを過ぎた14時以降にもかかわらず、「つるとんたん」「回転寿司 根室花まる」「仙臺 牛たん 撰 利久」などの店舗前には行列が。
他にも満席に近い状態の店舗があり、このフロアは特別活気に溢れていました。
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東急プラザ銀座10階:つるとんたん(2025年2月土曜日14時頃撮影)
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東急プラザ銀座10階:利久(2025年2月土曜日14時頃撮影)
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東急プラザ銀座10階:根室花まる(2025年2月土曜日14時頃撮影)
東急プラザ銀座の今後について
現在の東急プラザ銀座は商業フロアの閑散とした状況が続いているものの、建物を一歩出れば数寄屋橋交差点は相変わらずの賑わいを見せています。
香港の不動産投資ファンドによる買収後、2026年からは大規模な改修工事が予定されており、施設名称の変更されると言われています。
さらに注目すべきは周辺エリアの開発計画です。
隣接する東京高速道路(KK線)は、2029年の部分開通を目指して「東京スカイコリドー」として生まれ変わる予定になっています。
緑豊かな歩行者空間の誕生により、この一帯は新たな人の流れが生まれると期待されています。
東京スカイコリドーについては以下の記事をご確認ください。
廃止決定の東京高速道路(KK線)が遊歩道に。「Tokyo Sky Corridor(東京スカイコリドー)」歩いてみた
(トラベル Watch)
銀座の玄関口という絶好の立地と、周辺の再開発計画という追い風を受け、東急プラザ銀座は新たな商業施設としての価値を高めていくことでしょう。
インバウンド需要の取り込みはもちろん、地域の回遊性向上にも貢献が期待される、まさに銀座の未来を象徴する存在となりそうです。
東急プラザ銀座の買収発表後の現地の様子(写真)と閉店ラッシュでガラガラという噂とについて総括
以下、記事の内容をまとめます。
まとめ
- 東急プラザ銀座は2016年開業の大型商業施設である。約125店舗を有する
- 2025年2月、香港のファンドが約1,500億円で買収を発表した
- 銀座駅直結の好立地だが、コロナ禍以降は人通りが減少している
- この場所には70年間、銀座東芝ビル(マツダビル)が存在していた
- 現在は3階から6階の商業フロアで空きスペースが目立つ
- 人気スポット「キリコラウンジ」はフロアガイドでは現在、改装中となっている
- ロッテ免税店は開業時の話題ほどの賑わいはない
- 地下2階の飲食フロアは比較的活気がある
- 10階の飲食フロアは行列ができるほどの人気を保っている
- 2026年から大規模改修を予定し、新たな商業施設として再生を目指す